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オフィスに空気清浄機を導入するメリットと選び方

オフィス環境と「空気」の関係

オフィスの快適さを左右する要素として、レイアウトや家具、照明などの物理的なデザインに注目が集まりがちですが、 実際には「空気環境」も生産性や働きやすさに大きく影響します。人が長時間集まって仕事をするオフィスでは、 呼気や体温、紙埃、PCやプリンターから発生する微粒子、外部から持ち込まれる花粉やホコリなど、 さまざまな要因によって空気が汚れやすい状態になっています。

こうした空気の質の低下は、見た目には分かりにくいものの、集中力の低下や頭の重さ、目の疲れといった「なんとなくの不調」として現れることがあります。 また、花粉症やアレルギー体質の従業員が多い職場では、空気環境の差がそのままパフォーマンスの差につながることも珍しくありません。 デザイン性の高いオフィスであっても、空気が淀んでいたりニオイがこもっていたりすると、来客に与える印象もマイナスになります。

近年は換気設備の見直しやCO2濃度の可視化など、「換気」に関する対策が進んでいますが、 外気の状況やビル設備の仕様によっては十分な換気が難しいケースもあります。 そこで、換気と併用しながらオフィスの空気環境を整える手段として注目されているのが、空気清浄機の導入です。

オフィスの空気に潜む代表的な課題

ホコリや微粒子の蓄積

オフィスでは紙資料や文房具、段ボール、衣類などから常にホコリが発生しています。 フロア全体に空調が効いている環境では、空気の流れによって細かなホコリが舞い上がり、デスクや機器の上に薄く積もっていきます。 定期的に清掃をしていても、目に見えないレベルの微粒子は空気中に残り続け、アレルギー症状や喉の違和感につながることがあります。

人の出入りによる花粉・ハウスダスト

外出と帰社を繰り返すワーカーが多いオフィスでは、服や持ち物に付着した花粉やハウスダストがオフィス内に持ち込まれます。 特に花粉シーズンは、入口や受付周辺だけでなく、会議室や執務スペースにも広がりやすく、花粉症の従業員にとっては大きな負担となります。 窓を閉め切ったオフィスであっても、こうした外部由来の微粒子は少しずつ蓄積していきます。

ニオイ・こもった空気

ランチ後のニオイ、コーヒーやタバコの残り香、コピー機やプリンター周辺の独特なにおいなど、オフィスにはさまざまな臭気要因があります。 これらが混ざり合ってこもってしまうと、「なんとなく空気が重い」「来客を迎えるのに少し気になる」といった状態を招きます。 ニオイは慣れてしまいやすい反面、初めて来社する人には強く印象に残るため、オフィスブランディングの観点からも軽視できない要素です。

エリアごとの空気ムラ

空調設備を備えたオフィスであっても、間仕切りや家具の配置によって空気の流れにムラが生じることがあります。 窓際は寒暖差が大きく、奥のゾーンは空気が淀みがちになるなど、席によって体感が大きく異なるケースも多く見られます。 このような空気ムラは、快適性だけでなく、ホコリやニオイが溜まりやすい場所を作る原因にもなります。

空気清浄機を導入するメリット

オフィス全体の清潔感を高める

空気清浄機は、内蔵されたフィルターで空気中のホコリや花粉、カビ胞子などを捕集し、よりクリーンな空気を循環させる役割を担います。 高性能なフィルターを備えた機種であれば、目に見えないレベルの微粒子まで除去することができ、 定期的な清掃と組み合わせることで、オフィス全体の清潔感をワンランク引き上げることができます。

特に、来客が多い受付や会議室、社外の人と打ち合わせを行うスペースでは、「空気が澄んでいる」という感覚が、 会社全体の印象に直結します。家具や壁面のデザインだけでなく、空気にも気を配っているオフィスは、細部にまで配慮が行き届いた空間として評価されやすくなります。

ニオイ対策としての効果

脱臭機能を備えた空気清浄機を活用すれば、オフィス特有の生活臭や飲食のニオイを和らげることができます。 休憩スペースや給湯室が執務エリアと近いレイアウトの場合でも、空気清浄機を設置することでニオイの広がりを抑えることができるため、 匂いに敏感な従業員にとっても働きやすい環境づくりにつながります。

また、来客前に受付エリアの空気を整えておくことで、第一印象を良くし、会社への信頼感や安心感を高めることにもつながります。 オフィスの印象づくりという視点でも、ニオイのコントロールは重要な要素です。

働く人のコンディションをサポート

空気清浄機は医療機関や学校、介護施設などにも広く導入されており、健康管理対策の一環として活用されています。 オフィスでも、空気中の微粒子を減らすことで、花粉症やアレルギー症状を軽減したり、ホコリっぽさによる不快感を抑えたりする効果が期待できます。

もちろん、空気清浄機だけで全ての不調を解決できるわけではありませんが、「空気がきれいなオフィスで働いている」という感覚は、 従業員の心理的な安心感にもつながります。長時間同じ空間で過ごすことを考えると、空気環境への投資は、働き手にとって直接的なメリットになると言えます。

オフィス向け空気清浄機を選ぶポイント

対策したい「悩み」を整理する

空気清浄機を選ぶ際にまず考えたいのは、「何を優先的に改善したいのか」という点です。 従業員の健康管理を重視するのであれば、微細な粒子までしっかり除去できるタイプが向いています。 一方、飲食スペースや来客エリアのニオイ対策が主な目的であれば、脱臭フィルターの性能が重要になります。

さらに、製造現場やバックヤードを兼ねるオフィスでは、粉塵や油分を含んだミストが発生することもあります。 その場合は、粉塵対策や油ミスト対策に適した業務用タイプを選ぶ方が効果的です。 このように、オフィスの用途やレイアウト、事業内容に応じて、重点的に対策すべきポイントを整理しておくと、 製品選びの軸が明確になります。

オフィスの広さと設置場所を考慮する

空気清浄機には、対応可能な床面積の目安が設定されています。 広さに対して能力が不足していると、十分な清浄効果が得られないため、実際のフロア面積よりも少し余裕を持ったスペックを選ぶと安心です。 執務エリア全体をカバーしたい場合は、複数台を配置して空気の流れを作る方法も検討できます。

設置場所については、出入口付近、人の出入りが多い場所、ニオイやホコリが溜まりやすいゾーンなどを優先的に選ぶと効果的です。 デザイン性の高いオフィスであれば、空気清浄機の外観やサイズ感も空間の印象に影響するため、 インテリアとの相性も含めて検討しておくと良いでしょう。

フィルター性能とメンテナンス性

オフィスで長く使い続けることを考えると、フィルター性能とメンテナンス性は見逃せないポイントです。 微細な粒子をどの程度まで捕集できるか、ニオイ成分に対してどこまで対応できるかといった性能面に加え、 フィルターの交換頻度や交換コスト、清掃の手間なども確認しておきたいところです。

フィルターを水洗いして繰り返し使えるタイプであれば、ランニングコストを抑えながら運用することができます。 反対に、定期的なフィルター交換が必要なタイプの場合は、年間の交換コストをあらかじめ試算しておき、 予算計画に組み込んでおくと運用がスムーズです。

オフィスデザインの一部として空気清浄機を考える

近年の空気清浄機は、機能面だけでなくデザイン面にも配慮された製品が増えています。 シンプルでミニマルなデザインのものや、インテリアに馴染むカラーリングのものなど、 オフィスのコンセプトに合わせて選びやすくなっています。

オフィスのレイアウトを見直したり、改装を検討したりするタイミングで、 照明や家具と同じように「空気を整えるための機器」として空気清浄機を組み込むことで、 見た目と機能の両面から働きやすい環境づくりが可能になります。 特に、来客エリアやフリースペースなど、社外の人の目に触れやすい場所では、 空気清浄機の存在が「衛生面にも配慮しているオフィス」という印象づけにつながります。

働き方の多様化が進み、オフィスの役割が「ただ仕事をする場所」から「企業の姿勢や価値観を体現する空間」へと広がりつつある中で、 空気環境への投資は決して特別なものではありません。 レイアウトやデザインとあわせて、空気清浄機の導入も検討してみることで、 オフィス全体の居心地や生産性を一段高めるきっかけになるはずです。

参考:業務用空気清浄機おすすめ比較3選-空快biz-